4月17日、インディが日本に戻って来た。IRL第3戦、Indy Japan 300が、日本で2回目の開催を迎えた。栃木県のツインリングもてぎには今年も多数の観客が詰め掛け、初夏を思わせるような好天の元でのレースとなった。予選まではクラッシュが相次ぎ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)や高木虎之介選手(モー・ナン・レーシング)など一時病院送りになるドライバーもあったが、決勝まで滞り無くスケジュールは進行した。予選トップはダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)。ウェルドンは決勝でも群を抜く走りで後続をグイグイ引き離し、フルコースコーションが無ければ誰も追いつけない状況だった。そのコーションも、松浦孝亮選手(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)と接触したサム・ホーニッシュJr.(チーム・ペンスキー)のクラッシュ、松浦選手とルーキーを争うマーク・テイラー(パンサー・レーシング)の単独クラッシュを含めた3回しかない、もてぎらしいクリーンなレースだったこともあり、ウェルドンに有利にレースが進行した。結果、ピットイン以外でトップを譲ることなく、実に200周中192周のリードラップを稼ぎとったウェルドンが、2年目とは思えない冷静さで圧勝を成し遂げた。ウェルドンのチームはホンダのエースチームであり、ウェルドンの勝利によって、ホンダは念願のもてぎ初優勝。実に7年もの間待ち続けたホームサーキットでの勝利を遂に手にすることとなった。日本勢は、松浦選手が予選4位という最高の形でスタートし、レース中もなかなかの健闘を見せたが、結果的には順位を落とし、8位でのフィニッシュとなった。高木選手はクラッシュの影響が残ったままレース出場を強行したが、21番手スタートから我慢のレースで追い上げ、10位の結果を残した。このレースからスポット参戦のロジャー安川選手(チーム・レイホール)は、十分な事前走行が出来ないままのレースで苦戦し、2周遅れの11位でゴールしている。次戦はいよいよIRL最大にしてアメリカンモータースポーツ最大のイベント、インディ500。今年の決勝はインディアナポリス・モータースピードウェイで5月30日に行われる。全てのドライバーがここを目標にしてくるだけあって、最大の注目である。
IRL 2004シーズン第3戦 Indy Japan 300 最終結果(オーバルトラック1周 1.5 miles)
着順 | 予選 | 車番 | Driver | Car Name | シャシー/エンジン | 周回数 | リタイヤ理由 | 得点 | 総合 得点 |
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1 | 1 |
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ダン・ウェルドン | Andretti Green Racing | ダラーラ/ホンダ | 200 | 完走 | 50 | 123 |
2 | 3 | 11 | トニー・カナーン | Andretti Green Racing | ダラーラ/ホンダ | 200 | 完走 | 40 | 117 |
3 | 15 | 3 | エリオ・カストロネベス | Team Penske | ダラーラ/トヨタ | 200 | 完走 | 35 | 106 |
4 | 10 | 10 | ダレン・マニング | Chip Ganassi Racing | G-フォース/トヨタ | 200 | 完走 | 32 | 90 |
5 | 6 |
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スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | G-フォース/トヨタ | 200 | 完走 | 30 | 82 |
6 | 5 | 15 | バディ・ライス | Team Rahal | G-フォース/ホンダ | 200 | 完走 | 28 | 76 |
7 | 5 |
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ダリオ・フランキッティ | Andretti Green Racing | ダラーラ/ホンダ | 199 | 完走 | 26 | 52 |
8 | 4 | 55 | 松浦孝亮 (R) | Super Aguri Fernandez Racing | G-フォース/ホンダ | 199 | 完走 | 24 | 62 |
9 | 12 | 8 | スコット・シャープ | Kelley Racing | ダラーラ/トヨタ | 199 | 完走 | 22 | 61 |
10 | 21 |
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高木虎之介 | Mo Nunn Racing | ダラーラ/トヨタ | 199 | 完走 | 20 | 76 |
11 | 13 |
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ロジャー安川 | Team Rahal | G-フォース/ホンダ | 198 | 完走 | 19 | 19 |
12 | 22 | 51 | アレックス・バロン | Cheever Racing | ダラーラ/シボレー | 196 | 完走 | 18 | 64 |
13 | 16 | 4 | トーマス・シェクター | Panther Racing | ダラーラ/シボレー | 184 | 完走 | 17 | 61 |
14 | 11 | 7 | ブライアン・ハータ | Andretti Green Racing | ダラーラ/ホンダ | 183 | 完走 | 18 | 59 |
15 | 17 | 14 | A.J.フォイト4世 | A.J. Foyt Enterprises | ダラーラ/トヨタ | 169 | 完走 | 15 | 46 |
16 | 14 | 2 | マーク・テイラー (R) | Panther Racing | ダラーラ/シボレー | 167 | クラッシュ | 14 | 44 |
17 | 8 | 17 | ヴィトール・メイラ | Team Rahal | G-フォース/ホンダ | 166 | クラッチ | 13 | 13 |
18 | 18 | 5 | エイドリアン・フェルナンデス | Fernandez Racing | G-フォース/ホンダ |
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メカニカル | 12 | 24 |
19 | 7 | 6 | サム・ホーニッシュJr. | Team Penske | ダラーラ/トヨタ | 87 | クラッシュ | 12 | 77 |
20 | 2 |
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グレッグ・レイ | Access Motorsports |
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55 | サスペンション | 12 | 48 |
21 | 20 | 24 | ロビー・ビュール | Dreyer & Reinbold Racing | ダラーラ/シボレー | 38 | ハンドリング | 12 | 44 |
22 |
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52 | エド・カーペンター (R) | Cheever Racing | ダラーラ/シボレー |
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トータルレースタイム: 1時間49分48秒2611、平均スピード: 166.114 mph
ファステストラップ:ダン・ウェルドン(4周目、 201.165mph、27.2016秒)
ドライバー | リードラップ |
ダン・ウェルドン | 192周(1-47, 50-136, 143-200) |
エリオ・カストロネベス | 4周(139-142) |
ダレン・マニング | 2周(137-138) |
スコット・シャープ | 2周(48-49) |
周回 | 原因ドライバー | 事故種類 |
78-84 | なし | ごみ |
88-95 | サム・ホーニッシュJr.(リタイヤ) | アクシデント(ターン1) |
169-176 | マーク・テイラー(リタイヤ) | アクシデント(ターン2) |