IRLシリーズ最終戦が10月12日、IRLの聖地テキサス・モーター・スピードウェイで行われた。トップが2人並び、5人に可能性が残されているタイトル争い、そしてわずか4ポイント差のルーキー争いなど、過熱要素十分のレースは、序盤からタイトル争いに絡むドライバーを中心に激しいつばぜり合いが演出された。その中でも終始リードを保ったジル・ド・フェラン(チーム・ペンスキー)が、わずかな可能性と最後の意地を見せて快走。レースは187周目に起きた激しいクラッシュでケニー・ブラック(チーム・レイホール)の車体が宙を舞い、外壁に激突してドライバーが脱出出来ない状況に陥ったため195周で打ち切りとなり、その時点でトップにいたド・フェランが見事優勝、自身の引退レースに花を飾った。2位には常に落ち着いた走りでトップ集団の上位を固めたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が入り、これにより年間ランキングトップの座をものにした。また、ルーキー争いをしていたダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が好調にものを言わせて3位を確保、逆転でルーキー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを決めた。後半戦車の調整に手を焼いた高木虎之介選手(モー・ナン・レーシング)は何とかトップ周回に食らい付き、久々に7位の好成績を挙げた。一方、ロジャー安川選手(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)は練習走行でトップタイムをマークするなど決して不調ではなかったが、10位に終わり、ルーキータイトルを逃した。終盤数戦は地力で勝るトップチームのウェルドンとの差はじりじり開く一方で、レースでトップ3に入れるほどの力がチームには備わっていなかったと言うことだろう。また、エンジンを変えてから奇跡の追い上げを見せていたサム・ホーニッシュJr.(パンサー・レーシング)は17位でリタイヤ、奇跡のタイトル獲得はならなかった。このレースでもトップを走るなど好調ぶりは変わっていなかったが、ここ数戦酷使してきたマシンが遂に音を上げてしまったようだ。来季のIRLシリーズは2月29日のマイアミ・ホームステッドよりスタート、10月17日のテキサスまでの16戦を戦う。またゲートウェイと入れ替わってミルウォーキー・マイルが登場する。本レースでもトーマス・シェクター(チップ・ガナッシ・レーシング)のパンサー・レーシングへの移籍が発表されたように、来季は多くのドライバーの入れ替わりが予想されており、今季とはまた違ったレース展開が見られるだろう。
IRL 2003シーズン第16戦 Chevy 500 最終結果(オーバルトラック1周 1.5 miles)
着順 | 予選 | 車番 | Driver | Car Name | シャシー/エンジン | 周回数 | リタイヤ | 得点 |
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1 | 1 | 6 | ジル・ド・フェラン | Team Penske | ダラーラ/トヨタ | 195 | 完走 | 52 | 489(2) |
2 | 2 | 9 | スコット・ディクソン | Chip Ganassi Racing | G-フォース/トヨタ | 195 | 完走 | 40 | 507(1) |
3 | 16 | 7 | ダン・ウェルドン (R) | Andretti Green Racing | ダラーラ/ホンダ | 195 | 完走 | 35 | 312(11) |
4 | 6 | 2 | ヴィトール・メイラ | Team Menards | ダラーラ/シボレー | 195 | 完走 | 32 | 170(22) |
5 | 8 | 27 | ブライアン・ハータ | Andretti Green Racing | ダラーラ/ホンダ | 195 | 完走 | 30 | 277(13) |
6 | 20 | 8 | スコット・シャープ | Kelley Racing | ダラーラ/トヨタ | 195 | 完走 | 28 | 351(8) |
7 | 11 | 12 | 高木虎之介 | Mo Nunn Racing | G-フォース/トヨタ | 195 | 完走 | 26 | 317(10) |
8 | 13 | 13 | グレッグ・レイ | Access Motorsports | G-フォース/ホンダ | 195 | 完走 | 24 | 253(15) |
9 | 17 | 31 | アル・アンサーJr. | Kelley Racing | ダラーラ/トヨタ | 195 | 完走 | 22 | 374(6) |
10 | 15 | 55 | ロジャー安川 (R) | Super Aguri Fernandez Racing | ダラーラ/ホンダ | 195 | 完走 | 20 | 301(12) |
11 | 10 | 24 | ロビー・ビュール | Dreyer & Reinbold Racing | ダラーラ/シボレー | 195 | 完走 | 19 | 261(14) |
12 | 21 | 23 | サラ・フィッシャー | Dreyer & Reinbold Racing | ダラーラ/シボレー | 194 | 完走 | 18 | 211(18) |
13 | 5 | 3 | エリオ・カストロネベス | Team Penske | ダラーラ/トヨタ | 194 | 完走 | 17 | 484(3) |
14 | 9 | 11 | トニー・カナーン | Andretti Green Racing | ダラーラ/ホンダ | 193 | 完走 | 16 | 476(4) |
15 | 3 | 10 | トーマス・シェクター | Chip Ganassi Racing | G-フォース/トヨタ | 187 | クラッシュ | 15 | 356(7) |
16 | 7 | 15 | ケニー・ブラック | Team Rahal | ダラーラ/ホンダ | 187 | クラッシュ | 14 | 342(9) |
17 | 12 | 4 | サム・ホーニッシュJr. | Panther Racing | ダラーラ/シボレー | 176 | 噴霧 | 13 | 461(5) |
18 | 18 | 91 | リッチー・ハーン | Hemelgarn Racing | ダラーラ/シボレー | 172 | クラッシュ | 12 | 39(28) |
19 | 4 | 21 | フェリペ・ジャフォーネ | Mo Nunn Racing | G-フォース/トヨタ | 98 | クラッシュ | 11 | 199(20) |
20 | 14 | 52 | アレックス・バロン | Cheever Racing | ダラーラ/シボレー | 98 | クラッシュ | 10 | 216(17) |
21 | 22 | 18 | エド・カーペンター (R) | PDM Racing |
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69 | オルタネーター | 9 | 43(27) |
22 |
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14 | A.J.フォイト4世 (R) | A.J. Foyt Enterprises | G-フォース/トヨタ |
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トータルレースタイム: 1時間48分56秒2674、平均スピード: 156.268mph
ファステストラップ:トニー・カナーン(185周目、 223.452mph、23.4413秒)
ドライバー | リードラップ |
ジル・ド・フェラン | 68周(1, 5-35, 160-195) |
スコット・ディクソン | 57周(2-4, 86-137, 139-140) |
トニー・カナーン | 52周(36-85, 152-153) |
サム・ホーニッシュJr. | 12周(138, 141-151) |
スコット・シャープ | 5周(155-159) |
ダン・ウェルドン | 1周(154) |
周回 | 原因ドライバー | 事故種類 |
31-36 | なし | ごみ |
52-56 | エド・カーペンター | トゥーイン |
83-88 | エド・カーペンター(リタイヤ) | トゥーイン |
99-106 | フェリペ・ジャフォーネ(リタイヤ)、ジル・ド・フェラン、 アレックス・バロン(リタイヤ) |
アクシデント(メインストレート) |
174-178 | リッチー・ハーン(リタイヤ) | アクシデント(ターン3) |
188-195 | トーマス・シェクター(リタイヤ)、ケニー・ブラック(リタイヤ) | アクシデント(バックストレート) |