2003年第16戦 Chevy 500

Texas Motor Speedway (Texas)

ド・フェラン引退レースを飾る!年間王者はディクソンの手に!

 IRLシリーズ最終戦が10月12日、IRLの聖地テキサス・モーター・スピードウェイで行われた。トップが2人並び、5人に可能性が残されているタイトル争い、そしてわずか4ポイント差のルーキー争いなど、過熱要素十分のレースは、序盤からタイトル争いに絡むドライバーを中心に激しいつばぜり合いが演出された。その中でも終始リードを保ったジル・ド・フェラン(チーム・ペンスキー)が、わずかな可能性と最後の意地を見せて快走。レースは187周目に起きた激しいクラッシュでケニー・ブラック(チーム・レイホール)の車体が宙を舞い、外壁に激突してドライバーが脱出出来ない状況に陥ったため195周で打ち切りとなり、その時点でトップにいたド・フェランが見事優勝、自身の引退レースに花を飾った。2位には常に落ち着いた走りでトップ集団の上位を固めたスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)が入り、これにより年間ランキングトップの座をものにした。また、ルーキー争いをしていたダン・ウェルドン(アンドレッティ・グリーン・レーシング)が好調にものを言わせて3位を確保、逆転でルーキー・オブ・ザ・イヤーのタイトルを決めた。後半戦車の調整に手を焼いた高木虎之介選手(モー・ナン・レーシング)は何とかトップ周回に食らい付き、久々に7位の好成績を挙げた。一方、ロジャー安川選手(スーパーアグリ・フェルナンデス・レーシング)は練習走行でトップタイムをマークするなど決して不調ではなかったが、10位に終わり、ルーキータイトルを逃した。終盤数戦は地力で勝るトップチームのウェルドンとの差はじりじり開く一方で、レースでトップ3に入れるほどの力がチームには備わっていなかったと言うことだろう。また、エンジンを変えてから奇跡の追い上げを見せていたサム・ホーニッシュJr.(パンサー・レーシング)は17位でリタイヤ、奇跡のタイトル獲得はならなかった。このレースでもトップを走るなど好調ぶりは変わっていなかったが、ここ数戦酷使してきたマシンが遂に音を上げてしまったようだ。来季のIRLシリーズは2月29日のマイアミ・ホームステッドよりスタート、10月17日のテキサスまでの16戦を戦う。またゲートウェイと入れ替わってミルウォーキー・マイルが登場する。本レースでもトーマス・シェクター(チップ・ガナッシ・レーシング)のパンサー・レーシングへの移籍が発表されたように、来季は多くのドライバーの入れ替わりが予想されており、今季とはまた違ったレース展開が見られるだろう。

IRL 2003シーズン第16戦 Chevy 500 最終結果(オーバルトラック1周 1.5 miles)
着順 予選 車番 Driver Car Name シャシー/エンジン 周回数 リタイヤ 得点

総得点
1 1 6 ジル・ド・フェラン Team Penske ダラーラ/トヨタ 195 完走 52 489(2)
2 2 9 スコット・ディクソン Chip Ganassi Racing G-フォース/トヨタ 195 完走 40 507(1)
3 16 7 ダン・ウェルドン (R) Andretti Green Racing ダラーラ/ホンダ 195 完走 35 312(11)
4 6 2 ヴィトール・メイラ Team Menards ダラーラ/シボレー 195 完走 32 170(22)
5 8 27 ブライアン・ハータ Andretti Green Racing ダラーラ/ホンダ 195 完走 30 277(13)
6 20 8 スコット・シャープ Kelley Racing ダラーラ/トヨタ 195 完走 28 351(8)
7 11 12 高木虎之介 Mo Nunn Racing G-フォース/トヨタ 195 完走 26 317(10)
8 13 13 グレッグ・レイ Access Motorsports G-フォース/ホンダ 195 完走 24 253(15)
9 17 31 アル・アンサーJr. Kelley Racing ダラーラ/トヨタ 195 完走 22 374(6)
10 15 55 ロジャー安川 (R) Super Aguri Fernandez Racing ダラーラ/ホンダ 195 完走 20 301(12)
11 10 24 ロビー・ビュール Dreyer & Reinbold Racing ダラーラ/シボレー 195 完走 19 261(14)
12 21 23 サラ・フィッシャー Dreyer & Reinbold Racing ダラーラ/シボレー 194 完走 18 211(18)
13 5 3 エリオ・カストロネベス Team Penske ダラーラ/トヨタ 194 完走 17 484(3)
14 9 11 トニー・カナーン Andretti Green Racing ダラーラ/ホンダ 193 完走 16 476(4)
15 3 10 トーマス・シェクター Chip Ganassi Racing G-フォース/トヨタ 187 クラッシュ 15 356(7)
16 7 15 ケニー・ブラック Team Rahal ダラーラ/ホンダ 187 クラッシュ 14 342(9)
17 12 4 サム・ホーニッシュJr. Panther Racing ダラーラ/シボレー 176 噴霧 13 461(5)
18 18 91 リッチー・ハーン Hemelgarn Racing ダラーラ/シボレー 172 クラッシュ 12 39(28)
19 4 21 フェリペ・ジャフォーネ Mo Nunn Racing G-フォース/トヨタ 98 クラッシュ 11 199(20)
20 14 52 アレックス・バロン Cheever Racing ダラーラ/シボレー 98 クラッシュ 10 216(17)
21 22 18 エド・カーペンター (R) PDM Racing

ダラーラ/シボレー
69 オルタネーター 9 43(27)
22

19
14 A.J.フォイト4世 (R) A.J. Foyt Enterprises G-フォース/トヨタ

62

エンジン

8

198(21)

トータルレースタイム: 1時間48分56秒2674、平均スピード: 156.268mph

ファステストラップ:トニー・カナーン(185周目、 223.452mph、23.4413秒)

ラップリーダー
ドライバー リードラップ
ジル・ド・フェラン 68周(1, 5-35, 160-195)
スコット・ディクソン 57周(2-4, 86-137, 139-140)
トニー・カナーン 52周(36-85, 152-153)
サム・ホーニッシュJr. 12周(138, 141-151)
スコット・シャープ 5周(155-159)
ダン・ウェルドン 1周(154)
 
イエローフラッグ
周回 原因ドライバー 事故種類
31-36 なし ごみ
52-56 エド・カーペンター トゥーイン
83-88 エド・カーペンター(リタイヤ) トゥーイン
99-106 フェリペ・ジャフォーネ(リタイヤ)、ジル・ド・フェラン、
アレックス・バロン(リタイヤ)
アクシデント(メインストレート)
174-178 リッチー・ハーン(リタイヤ) アクシデント(ターン3)
188-195 トーマス・シェクター(リタイヤ)、ケニー・ブラック(リタイヤ) アクシデント(バックストレート)
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