1月29日、フロリダ州オーランドにあるウォルト・ディズニー・ワールド・スピードウェイにてモータースポーツの2000年幕開けを告げるインディーレーシングリーグ第1戦、Delphi INDY 200が開催され、22番手からスタートしたロビー・ビュール選手(ドレイヤー&ラインボールド・レーシング)が、レース中に発生したイエローコーションを巧みに利用して順位を上げ、最後に昨年の優勝者エディー・チーバーJr.(チーム・チーバー)をかわして優勝した。
開催コースは、1周1マイルのCARTで言えばナザレスのようなトライオーバル(丸みを帯びた三角形型)で、200周200マイルで争われる。予選では昨年の覇者、グレッグ・レイ(チーム・メナード)がポールポジションを獲得した。予選2位はジェフ・ワード(A.J.Foyt エンタープライゼス)、3位はマーク・ディズモア(ケリ−・レーシング)。
決勝はポールポジションのグレッグ・レイが先頭をキープしてトップを守る。1回目の給油をイエローコーション中の46周目に行い、そのあとを受けてビリー・ボート(チーム・ペルフレイ)がトップに立つ。しかし22番手からスタートしてじりじりと順位を上げていたロビー・ビュールがコーション明けの49周目にボートをかわしてトップに立ち、その後47周に渡りトップをキープする。ロビー・アンサー(トライスター・モータースポーツ)のアクシデントによるコーションが95周目から105周目まで続いたあとはトップにドニー・ビークラー(キャヒル・オート・レーシング)がトップに立つが108周目にマーク・ディスモアにかわされる。110周目にはジャック・ラジェ(トラスチェリ・チーム・レーシング)がメインストレートでクラッシュして病院に運ばれた。
136周目からのコーションがあけてからトップに立ったのはバディ・ラジェ(ヘメルガン・レーシング)でその後47周に渡りトップに居座るが、終盤になってエディー・チーバーJr.とロビー・ビュールが追いついて激しいトップ争いが始まる。192周目にはチーバーがラジェをかわしてトップに立つが、決定的なリードを作れず、さらにスコット・グッドイヤー(パンサーレーシング)も追いついてきて4台の攻防になる。残り2周となったところでビュールが遂にチーバーをかわしてトップに立つと、そのままトップでチェッカーを受けた。2位にはラジェ、3位にはチーバーが入り、今シーズンデビューのライリー・スコットシャーシの戦闘力の高さを示した。グッドイヤーは4位。5位にはベテランのエリセオ・サラザール(A.J.Foyt エンタープライゼス)が6秒99の差で入った。
昨年のチャンピオン、グレッグ・レイは中盤にマシントラブルが発生して大きく順位を落とし、完走したものの17位と不本意な結果に終わっている。また今シーズンからIRLに移籍したアル・アンサーJr.(ギャレス・ECR・レーシング)は64周目にエンジントラブルで早々と戦列を離れている。
IRL 2000シーズン開幕戦 Delphi INDY 200 最終結果(オーバルトラック1周 1.0 miles)
着順 |
予選 |
車番 |
ドライバー | シャシー/エンジン | 周回数 | リタイヤ理由 |
得点 |
総得点 |
1 |
22 |
24 |
ロビー・ビュール | G-フォース/オーロラ |
200 |
完走 |
52 |
52 (1) |
2 |
5 |
91 |
バディ・ラジェ | ライリー・スコット/オーロラ |
200 |
完走 |
40 |
40 (2) |
3 |
6 |
51 |
エディー・チーバーJr. | ライリー・スコット/インフィニティ |
200 |
完走 |
35 |
35 (3) |
4 |
8 |
4 |
スコット・グッドイヤー | ダラーラ/オーロラ |
200 |
完走 |
32 |
32 (4) |
5 |
10 |
11 |
エリセオ・サラザール | G-フォース/オーロラ |
200 |
完走 |
30 |
30 (5) |
6 |
15 |
98 |
ドニー・ビークラー | ダラーラ/オーロラ |
200 |
完走 |
28 |
28 (6) |
7 |
2 |
14 |
ジェフ・ワード | G-フォース/オーロラ |
200 |
完走 |
28 |
28 (7) |
8 |
11 |
12 |
バズ・カルキンス | ダラーラ/オーロラ |
200 |
完走 |
24 |
24 (8) |
9 |
9 |
81 |
ビリー・ボート | ダラーラ/オーロラ |
200 |
完走 |
22 |
22 (9) |
10 |
4 |
55 |
ロビー・マッギー | G-フォース/オーロラ |
200 |
完走 |
20 |
20 (10) |
11 |
25 |
88 |
アイルトン・ダレ (R) | G-フォース/オーロラ |
199 |
完走 |
19 |
19 (11) |
12 |
21 |
27 |
ニクラス・ジョンソン (R) | G-フォース/オーロラ |
198 |
完走 |
18 |
18 (12) |
13 |
23 |
20 |
タイス・カールソン | ダラーラ/オーロラ |
197 |
完走 |
17 |
17 (13) |
14 |
20 |
43 |
ドグ・ディデロ (R) | ダラーラ/オーロラ |
195 |
完走 |
16 |
16 (14) |
15 |
7 |
8 |
スコット・シャープ | ダラーラ/オーロラ |
186 |
完走 |
15 |
15 (16) |
16 |
3 |
28 |
マーク・ディズモア | ダラーラ/オーロラ |
183 |
オイルクーラー |
15 |
15 (17) |
17 |
1 |
1 |
グレッグ・レイ | ダラーラ/オーロラ |
180 |
完走 |
16 |
16 (15) |
18 |
13 |
7 |
ステファン・グレゴワール | G-フォース/オーロラ |
174 |
完走 |
12 |
12 (18) |
19 |
16 |
6 |
ジェレット・シュレイダー (R) | ダラーラ/オーロラ |
174 |
オイルクーラー |
11 |
11 (19) |
20 |
19 |
18 |
サム・ホーニッシュJr. (R) | G-フォース/オーロラ |
172 |
完走 |
10 |
10 (20) |
21 |
14 |
42 |
ジョン・オランスワースJr. | G-フォース/オーロラ |
136 |
電気系 |
9 |
9 (21) |
22 |
26 |
30 |
ジョン・ハーブ (R) | G-フォース/オーロラ |
114 |
ハンドル |
8 |
8 (22) |
23 |
12 |
33 |
ジャック・ラジェ | G-フォース/オーロラ |
110 |
クラッシュ |
7 |
7 (23) |
24 |
18 |
9 |
ロビー・アンサー | ダラーラ/オーロラ |
93 |
クラッシュ |
6 |
6 (24) |
25 |
24 |
3 |
アル・アンサーJr. | G-フォース/オーロラ |
64 |
エンジン |
5 |
5 (25) |
26 |
17 |
44 |
デイビー・ハミルトン | ダラーラ/オーロラ |
22 |
クラッシュ |
4 |
4 (26) |
ファステストラップ:マーク・ディズモア(129周目、 162.126 mph、22秒205)
"Leader at Halfway" Award(レースディスタンスの半分終了時のトップ): ドニー・ビークラー
ラップリーダー
ドライバー | リードラップ |
ロビー・ビュール | 49周(50-96、199-200) |
バディ・ラジェ | 47周(145-191) |
グレッグ・レイ | 46周(1-45、97) |
マーク・ディズモア | 30周(109-138) |
ドニー・ビークラー | 9周(100-108) |
エディー・チーバーJr. | 8周(139、192-198) |
ビリー・ボート | 6周(46-49、98-99) |
ロビー・マッギー | 5周(140-144) |
周回 | 原因ドライバー | 事故種類 |
3-5 | ジャック・ラジェ | スピン(ターン2) |
24-34 | デイビー・ハミルトン | アクシデント(ターン1) |
44-48 | 特になし | ごみ(ターン1) |
67-74 | ジョン・ハーブ | 停止(メーンストレート) |
95-105 | ロビー・アンサー(リタイヤ) | アクシデント(ターン2) |
111-123 | ジャック・ラジェ(リタイヤ) | アクシデント(メーンストレート) |
136-143 | サム・ホーニッシュJr. | スピン(ターン1) |
176-181 | ドグ・ディデロ | スピン(バックストレート) |