IRL Indy Japan 300 Test Days
2002.11.09 ツインリングもてぎ
IRLが日本で開催されることになり、開催地ツインリングもてぎでのIRLカーの走行テストが11月7日から9日まで行われた。テスト走行の目的で来日したのはサム・ホーニッシュJr.。ペンズオイルイエローの眩しいマシンに乗るパンサーレーシング期待の弱冠23歳にして、2年連続でチャンピオンに輝いている大物。そして、本場アメリカではレース開催のたびに行われている、IRL2シーターズマシンも来日。これを駆るのはインディ期待の女性ドライバー、サラ・フィッシャー(ドレイヤー・ラインボールド・レーシング)。(ただし初日は野田英樹選手が代行。)
初日から晴天に恵まれたスーパースピードウェイを、ホーニッシュJr.は快調にラップを重ねて行く。最高で26秒台までの早いラップを刻み、これは今年まで行われていたCARTと遜色ないもの。ホーニッシュJr.は至って満足げに、コースの感想と来季への展望を語っていた。(詳細はIndy Japan 300ホームページへ。)
私mfboxは最終日の9日にツインリングに来場。最終日はテストではなく、イベント(Historic Automobile Festival)のスペシャルイベントとしてのデモ走行が行われるだけなのだが、とにかく日本で走る最初のIRLマシンと言うことで、期待を持って駆け付けた。
前夜激しく酔っぱらいつつも朝の6時前に家を出発、レンタカーの予定だったが無理と判断し、宇都宮駅からバスで行くことにした。これが結果的に正解となったのは、もてぎを含む栃木県全域で朝雨が降ったために、スーパースピードウェイが濡れていたからだった。この点はCARTと同じで、オーバルコースでは雨では危険なので走行出来ない。9時半にツインリングにつくと、コース上をひっきりなしに車が走り続けて、コースを乾かしていた。この光景はこれまでのCARTでも何度と無く見ているのですぐに理解出来た。
予定より1時間半遅れてIRLマシンの走行開始。まず出て来たのは特別試乗体験用の2シーターズマシン。ドライバーは輝く金髪に青のレーシングスーツが映えるサラ・フィッシャー。4人ほどの招待客(各車雑誌の編集長やツインリングもてぎ社長など)を後ろに乗せて、快調にドライブ。1人当り3〜4周のドライブだったが、最後に乗ったもてぎの清水社長は誰よりも長く乗せられていた。さすがは社長と言いたいところだが、マシンを下りるなり思いっきりよろけていたのを見て、私も思わず吹き出し笑い。その後もしっかりと写真撮影に付き合ってくれたフィッシャー。サービス精神旺盛なところをたっぷりと見せてくれた。
ロードコースでイベントを行いつつスーパースピードウェイ(オーバル)でIRLマシンを走行するという形式で行われていたこの日のイベント。その中でも、サム・ホーニッシュJr.によるインディカーデモランはとびきりのスペシャルイベントとして扱われており、一番メインの時間帯(12:00)に行われた。会場中(といっても、観客数としては5000人くらいでかなり寂しいが)の注目を一身に浴びて、ホーニッシュJr.がコースインする。午前中ずっと濡れていただけに、路面状況が良くなく、最高タイムは30秒台(それでも290Km超)であったが、会場全体がホーニッシュJr.のドライブとIRLマシンの勇姿、エンジン音に目をときめかせ耳を澄まして見守っていた。周回は10周程度の短いものであったが、その間にもピットストップ(片側だけの模擬的なものだが)を入れるなど、十分堪能できる走行であった。ちなみに、IRLのエンジンはノーマルの6気筒エンジンで、CARTのようなかん高いターボの響きではないものの、思った以上に迫力のある音で、来年のレースではもっと楽しめると思うと、今からわくわくする。
実はホーニッシュJr.のイベント開始のちょっと前になって、再び雨が落ち始めていた。小降り程度で、ホーニッシュJr.のドライブまでは保ってくれたが、その後雨が一時的にひどくなり、さらに雪に変わるというおまけまでついて、会場はとても寒かった。そんな中、もう1つのスペシャルイベント、ドライバーサイン会が行われるというのを聞いて、レースカーが去った後まっ先にその会場に向かった私。67番という早い順番を手に入れた私は、ホーニッシュJr.とフィッシャーの1m以内に接近、緊張しながら色紙にサインをもらいました。サインをもらう前は何か声をかけたいと思ってない知恵を絞っていろいろ考えていたけれど、ドライバーを目の前にして吹っ飛んでしまいました。結局ホーニッシュJr.には「Thank You」としか声をかけられませんでしたが、その後勇気を振り絞って(?)フィッシャーには「I hope you'll win in this place!」((来年)この場所であなたが勝利することを願ってます。←あってるかどうか分からんが)と声をかけることに成功。フィッシャーはちょっと驚いて、日本語で「ありがとう」と返してくれました。素晴らしい思い出ができました。(実は有名人に話し掛けるのもサインをもらうのもこれが初めて。いきなり外国人というのは自分でも驚きです。Indy Japanのページにこの日のサイン会の様子が写真で載っていますが、この中に私はいません。笑)この感動を胸にしまいこんで、後は用事はないとそそくさと帰りのバスに乗り込んで、4時間弱の私のイベントは終了です。