CART第8戦、ここにまた一つのドラマが生まれた。CART最長となるウイスコンシン州エルクハートレイクにある4マイルのロングサーキットで行われたロードアメリカグランプリは、毎年のようにドラマがうまれるとともに、ドライバーの初優勝が意外と多いサーキットでもある。今回のレースでも、長年惜しい所まで行きながら優勝を逃し続けて来た中堅ドライバーに悲願が訪れるドラマがあった。そのドライバーとはカナダ人ドライバーのアレックス・タグリアーニ(ロケットスポーツ・レーシング)。13番手スタートのタグリアーニは序盤のイエローコーションのタイミングを使って順位を大きくあげると、調子を一変させてトップ争いを演じ、23周目にはトップに立ち、その後はポール・トレイシーやロドルフォ・ラビン(共にフォーサイス・レーシング)との接戦を征して48周の難しいレースにピリオドを打った。タグリアーニは自身の初優勝となったのだが、ここまでの道程は長く険しいものだった。2000年のリオGPであわや優勝の走りを見せながら後わずかの所でスピンアウトするなど、何度となくトップを伺える位置につけながらその度に惜しいレースを落として来た過去があっただけに、6年目にして初めて手にした美酒の味はひときわ格別なものだったろう。このレースの2位はロドルフォ・ラビン、3位には1度ミスしたピット作戦から巻き返したセバスチャン・ボーデ(ニューマン・ハース・レーシング)が入り、総合ポイントを順調に伸ばしている。
第8戦の主な結果
1 アレックス・タグリアーニ ロケットスポーツ・レーシング
2 ロドルフォ・ラビン フォーサイス・レーシング
3 セバスチャン・ボーデ ニューマン・ハース・レーシング
4 ライアン・ハンターレイ ヘルデス・コンペティション
5 マリオ・ドミンゲス ヘルデス・コンペティション
6 オリオール・セルビア ディル・コイン・レーシング
7 ジャスティン・ウィルソン コンクエスト・レーシング
8 ジミー・バッサー PKV・レーシング
9 ミチェル・ジョルディンJr. ルー・スポーツ・レーシング
10 ガイ・スミス ロケットスポーツ・レーシング
11 マリオ・ハバーフェルド ウォーカー・レーシング
12 ポール・トレイシー フォーサイス・レーシング