2002年のCARTも締めくくり。今季メキシコで2戦目となるメキシコシティのストリートコースで行われたグラン・プレミオ(メキシコで言うグランプリのこと)は、長らく不振に喘いでいたケニー・ブラック(チップ・ガナッシ・レーシング)が、最終戦にしてやっと今季の初優勝を挙げた。今季始めにチームを移籍して昨年を上回る成績を期待されながら、トラブル続きで今年は思うような活躍ができていなかったが、この1勝で今までの鬱憤を晴らすとともに、来季への奮起を誓っていた。2位はクリスチアーノ・ダ・マッダ(ニューマン・ハース・レーシング)で、予選12位から苦しみながら最後にこの順位まで上げるところは素晴らしい技量を証明している。残念ながら来季はF1トヨタチームのドライバーとなってCARTを去ってしまうが、優勝こそ逃したがいいはなむけとなった。3位はブルーノ・ジャンケイラ(チップ・ガナッシ・レーシング)で、これにより今季の2位が確定した。ダ・マッダとは別に既に来季CARTを去りIRLへ移籍するドライバーにとってはこのレースがCART最後のレースとなった。マイケル・アンドレッティ(チーム・モトローラ)、ダリオ・フランキッティ(チーム・グリーン)、トニー・カナーン(モー・ナン・レーシング)は来季チーム・グリーンごと移籍してIRLを戦う。この3人はフランキッティの5位が最高でアンドレッティはリタイヤ、カナーンはピット炎上で思うような成績が残せなかったが、心は既に来季なのだろう。活躍を期待してやまない。高木虎之介(ウォーカー・レーシング)は好調な走りでトップ集団に食らい付いたが、ピット戦略で外れ、惜しくも6位に終わった。また中野信治選手
(フェルナンデス・レーシング)はいいところ無く14位に終わった。今年は特に中盤戦で素晴らしい活躍を見せた両選手だったが、結局表彰台に登ることは出来なかった。来季の決まっていない2人だが、CART、IRLいずれのカテゴリーでも表彰台に届くには全てを味方につけなければならない。
両選手には来季こそ表彰台、願わくばその真ん中に立ってもらいたいものだ。未だ来季の展望が見えないCART、大量の離脱者を抱えながら、それでもこれからも続いて行くCARTを応援して行きたい。
第19戦(最終戦)の主な結果 1 ケニー・ブラック チップ・ガナッシ・レーシング 2 クリスチアーノ・ダ・マッダ ニューマン・ハ−ス・レーシング 3 ブルーノ・ジャンケイラ チップ・ガナッシ・レーシング 4 パトリック・カーペンティア フォーサイス・レーシング 5 ダリオ・フランキッティ チーム・グリーン 6 高木 虎之介 ウォーカー・レーシング 7 スコット・ディクソン チップ・ガナッシ・レーシング 8 トニー・カナーン モー・ナン・レーシング 9 オリオール・セルビア パトリック・レーシング 10 アレックス・タグリアーニ フォーサイス・レーシング 11 ジミー・バッサー チーム・レイホール 12 アンドレ・ロッテラー ディル・コイン・レーシング |