今シーズンのCARTがフロリダ州ホームステッドにて開幕した。昨年のムーアの事故死以来チームの撤退が相次ぎ暗いイメージばかりがつきまとっていたCARTだったが、開幕戦は新チームのモー・ナン・レーシングのトニー・カナーンが初日からトップに立つなど今年も波瀾に満ちたすばらしいレースを見せてくれることを予感させる。
レースはトップに立ったドライバーが次々とエンジントラブルで脱落するという去年のどこかのレースのような波乱の展開となり、予選トップのジル・ド・フェラン(チーム・ペンスキー)もピットタイミングに恵まれず順位を下げる。このほかローラ・トヨタのパッケージに大胆に変更したチップ・ガナッシ・レーシングのファン・モントーヤやインディ500覇者として鳴り者入りでデビューしたケニー・ブラック(チーム・レイホール)、今年から参戦の黒澤琢弥選手(ディル・コイン・レーシング)などの注目株が序盤で次々と姿を消した。レース後半は予選で振るわなかったポール・トレーシー(チームグリーン)がレースを引っ張るが、それにぴたりとついていたマックス・パピス(チームレイホール)とロベルト・モレノ(パトリック・レーシング)が残り10周でトレーシーをかわし、そのまま1ー2位でフィニッシュした。パピスはこれまで何度もトップでゴールするチャンスがありながら残り数周で勝ちを落としてしまうレースがあったが、遂に初優勝を手にした。トレーシーは3位。またド・フェランは結局6位でゴールし、ペンスキーの100勝目はお預けとなった。
今季から参戦している日本の中野信治選手(ウォーカー・レーシング)はこの初戦8位と結果を残し5ポイントを獲得、なかなかの滑り出しを見せるとともに、アメリカのメディアでも評判が上がっている様子。
第1戦の主な結果 1 マックス・パピス チーム・レイホール 2 ロベルト・モレノ パトリック・レーシング 3 ポール・トレーシー チーム・グリーン 4 ジミー・バッサー チップ・ガナッシ・レーシング 5 パトリック・カルパンティエ フォーサイス・レーシング 6 ジル・ド・フェラン チーム・ペンスキー 7 クリスチャン・フィッティパルディ ニューマン・ハ−ス・レーシング 8 中野信治 ウォーカー・レーシング 9 アレックス・タグリアーニ フォーサイス・レーシング 10 トニー・カナーン モ−・ナン・レーシング 11 ダリオ・フランキッティ チーム・グリーン 12 クリスチアーノ・ダ・マッダ PPI・レーシング |